2017/09/28

アナトミートレインの構造を捉える!スパイラルライン(SPL)

 

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松井 洸
ロック好きな理学療法士。北陸でリハビリ業界を盛り上げようと奮闘中。セラピスト、一般の方へ向けてカラダの知識を発信中。
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本日はスパイラルライン(以下、SPL)についてご紹介します。

SPLは文字通り全身を取り巻くようにして走行しているので少し複雑ではありますが、しっかりポイントを抑えていきましょう。

SPLの連結

頭板状筋/頸板状筋

大菱形筋/小菱形筋(反対側の)

前鋸筋

外腹斜筋

内腹斜筋(反対側の)

大腿筋膜張筋/腸脛靭帯

前脛骨筋

長腓骨筋

大腿二頭筋

仙結節靭帯

脊柱起立筋

上記のように反対側をいったりきたりしつつ、最初の頭部の位置まで戻ってきます。
長くて、複雑な動きをしていますので苦手意識があるかもしれませんが、一つ一つの筋を触診しながら覚えていきましょう。

SPLの特徴

特徴としては以下のようなものが挙げられます。

①.二重螺旋状に身体を取り巻いている

②.スタートとゴールが同じ

各特徴をも少し詳しく見ていきましょう。

二重螺旋状に身体を取り巻いている

螺旋と表しているのは、頭板状筋/頸板状筋から反対側の大菱形筋/小菱形筋、外腹斜筋から反対側の内腹斜筋、前脛骨筋から長腓骨筋へと連結する部分のことで、SPLの中でも重要な連結部分となります。

姿勢機能としては、螺旋状に身体を取り巻いているため身体バランスの維持に関与しています。

運動機能としては、身体に回旋運動を生み出し、遠心性収縮・等尺性収縮により体幹・下肢を固定し、回旋による転倒を防いでいます。

上部SPLと体幹の回旋

SPLは正しく機能する前提条件として、深層の脊柱深部筋が機能していることが条件となります。
つまり、脊柱深層筋(ディープフロントラインと関連してきます)が機能不全を起こした結果として、SPLが二次的に捻れる、過緊張などを起こしているということです。

 

ポイントとしては、

・胸郭と相対的な頭部の変位・傾き
・一側肩の前方突出
・骨盤と相対的な胸郭外側の変位
・胸骨と恥骨の方向の相違

 

以上をポイントに観察してみてください。

頭部前方位姿勢とSPL

現代人はデスクワークが多く、パソコンに向かう時間が多くなっていますので背中が丸まって頭部が前方に突出している姿勢の方が多く認められます。

この姿勢だと、SPLで考えると肩甲骨が外転位になりやすいため、菱形筋が伸張固定、前鋸筋が短縮固定されて固まってしまいます。

この状態だと胸郭の動きが制限されて、体幹の回旋運動にも制限がでますし、呼吸機能との関連も考えられます。

足弓と骨盤傾斜

前脛骨筋と長腓骨筋は第一中足骨・内側楔状骨を介して連結しており、スリングを形成していますので、下肢の前後の緊張度合いで骨盤と足部が連動して代償パターンを作り出します。

大腿二頭筋・長腓骨筋のラインが緊張:骨盤後傾位、足部外反
大腿筋膜張筋/腸脛靭帯・前脛骨筋のラインが緊張:骨盤前傾位、足部内反

下部SPLと膝のトラッキング

さらに、下肢前方の大腿筋膜張筋/腸脛靭帯から前脛骨筋の斜めに走行するラインから膝のトラッキング機能(歩行時に膝が前後にまっすぐ動く能力)に関わってきます。

このラインが短縮・過緊張するとKnee Inしやすくなります。

足部と仙腸関節の関係性

足部にはアーチ構造として内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチから構成されています。

本来、内側縦アーチによって荷重負荷を緩衝し、外側縦アーチはバランスをとるための装置として機能します。
ですが、臨床上、外側縦アーチで、つまり本脛骨直下で体重を支えるべきところを腓骨で支えているケースが非常に多く認められます。

SPLでは足部と骨盤が連動していることを上述しましたが、このように外側荷重のパターンでいると足部から仙腸関節に影響を及ぼし、仙腸関節痛や腰痛などを引き起こす原因ともなります。
逆もまた然りです。

スタートとゴールが同じ

頭板状筋/頸板状筋から始まり脊柱起立筋を経て元の位置に戻ってきます。
アナトミートレインのラインの中で最も長いラインとなります。
ですので、身体の前面においても後面においてもとても広範囲に走行しており、それだけ身体に与える影響も大きいと言えます。

さらに、他のラインとの接続も多いので、他のラインへの影響を与えやすい、他のラインからの影響を受けやすいといったことも考えられますので、SPLを評価する際はラインの走行もですが、色々な影響を考えた上で評価する必要があり、とても複雑ですね。

SPLをリリースするストレッチ

実際にSPLをリリースするストレッチをご紹介します。

①.立位で片足を一歩後ろに引き、引いた足と同じ側の手を前方に置いたテーブルなどに置きます。

②.反対側の手を斜め上後方へ挙上します。(目線は挙上した指先)

③.体幹を挙上した手の側へ回旋します。

④.30秒程度保持したら反対側も同様に行います。

ポイントとしては、

・引いた足の外側から腹部を通って挙上側の手までのライン、引いた足側の腰部から背中にかけて
 のラインが伸びるイメージを持つ

・両足とも踵やつま先が浮かないように

・前方に置いてある足の膝は伸びきらないように

・テーブルに置いてある方の手の肘は曲がらないように

上記のポイントを踏まえて実践してみてください。

おわりに

少しボリュームが多くなりましたが、どれも大切な視点です。
まずは、姿勢アライメントをチェックしてみて、SPL上に問題があるかどうか仮説を立てて、動作でもチェックしてみて、実際にSPLへアプローチしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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  1. […] アナトミートレインの構造を捉える!スパイラルライン(SPL) […]

  2. Henrietta より:

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