2016/09/29

アナトミートレインとは?筋膜の繋がりを知る

 

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松井 洸
ロック好きな理学療法士。北陸でリハビリ業界を盛り上げようと奮闘中。セラピスト、一般の方へ向けてカラダの知識を発信中。
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本日はアナトミートレインについて解説します。

最近ではテレビでも話題の「筋膜」ですが、それを使ったアプローチを臨床で行っているPT、OTの方も多くなってきたのではないでしょうか?

ただ筋膜として捉えるだけでなく、アナトミートレインの考え方を知ることではるかに効果が高くなり、視点も増えると思います。

実際に僕もアナトミートレインの考え方を取り入れた筋膜のアプローチを行っていてとても効果が高いのでかなりおすすめです。

アナトミートレインとは?

みなさんはアナトミートレインをご存知でしょうか?リハビリ業界ではよくこのワードを聞くようになってきたので、よく知らなくても名前くらいは聞いたことがあるかと思います。

アナトミートレインとは、トーマス.W.メイヤー氏により提唱された、

身体中に張り巡らされた筋・筋膜の網を通して姿勢や動作の安定がどのように得られるかを解剖学的見解から編み出された理論です。

筋を単一のものとして捉えるのではなく、筋膜を通して全て複合的に繋がっているということを提唱しており、これにより複合的かつ包括的に現象を捉えることができます。

わかりやすく言うと、Tシャツの片方の裾を引っ張りながら反対の腕を挙げてみてください。おそらく挙げにくくなりますよね?そういったことが筋膜の繋がりでも起こっているのです。

 

テンセグリティ構造

アナトミートレインを考える上で上で欠かせない考え方が「テンセグリティ構造」です。

張力(tension)と統合(integrate)を合わせた造語で、宇宙に存在する全ての構造は張力と圧縮のバランスによって支えられているというものです。

人の体で言うと、身体は歪みを集中させるのではなく、全身に分散するようにできているということになります。

筋膜は全身を包んでいるので、絶妙な張力でバランスをとっており、ある一部分の張力が崩れると筋膜上のバランスが全て崩れてしまうのです。

例えば、膝が痛い方を担当して膝周囲のリラクセーションやマッサージなどでその場では良くなるが、次の日には元に戻っているという方いませんか?

一つの可能性として、首の筋膜の歪みが膝の痛みを作り出しているという可能性も考えられます。

この場合はいくら膝を集中的に施術しても痛みの原因が首にあるので根治的な解決にはならないということは分かると思います。

学校では筋肉を一つ一つ別のものとして考えて覚えたと思いますが、アナトミートレインという考え方を取り入れることでより広い視野で身体を総合的に捉えることができます。

 

アナトミートレインの特徴

特徴としては以下の3つがあります。

①.筋膜の繋がりは同じ深さで直線的

②.筋肉は互いに繋がっているわけではないが、筋膜は連続的に繋がっている

③.いくつかのそれぞれ個別に機能をもったラインが存在する

 

筋膜の繋がりは同じ深さで直線的

筋膜には何層か存在しており、浅い部分にある浅筋膜や深い部分にある深筋膜などに分けられることは以前の記事で説明しました。

アナトミートレインは同じ階層の膜状での繋がりであり、深筋膜から浅筋膜に繋がっていたりということはないのです。その逆も然りです。

例えば、Tシャツを2枚重ね着したとします。下に着たTシャツを引っ張っても上に着たTシャツが引っ張られるということはないと思います。

筋膜にもこういった関係性があるのです。

 

筋肉は互いに繋がっているわけではないが、筋膜は連続的に繋がっている

筋膜は全身を覆うように繋がっているということはお伝えしてきましたが、筋肉同士は繋がっているわけではないことを誤解しないようにしてください。

筋肉はそれぞれ独立して作用をもっているので、筋肉同士が繋がりをもっていると互いに反対の作用をもつ筋肉などでは身体にとってはとても効率が悪いです。

あくまでも筋肉を覆っている筋膜同士が繋がっているのです。

 

いくつかのそれぞれ個別に機能をもったラインが存在する

アナトミートレインには主要なラインが主に10存在します。

それぞれが機能をもっており、ダイナミックな動きを可能にするライン、身体の深い部分で姿勢を安定させるラインなど様々です。

このラインに乗って筋肉で生じた運動をライン上に広げてくれることによってより効率的な動きを実現します。

アナトミートレインは各駅をもった線路のようなものと考えてください。筋肉で生じたエネルギー(電車)をライン(線路)に乗って各駅に届けてくれる役割をもっているのです。

おわりに

アナトミートレインの理解を深めることでなんで症状が戻ってしまうのか説明がつくかもしれません。

また、ラインの繋がりを活かした運動などもいくつも考えられると思います。

ぜひ臨床でこの考え方をもって取り組んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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