2017/09/09

足の裏の痛みを1日5分のストレッチで治す

 

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松井 洸
ロック好きな理学療法士。北陸でリハビリ業界を盛り上げようと奮闘中。セラピスト、一般の方へ向けてカラダの知識を発信中。
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朝起きて最初の一歩目が痛い、走っている時に足の裏が痛いなどの症状に悩まされていませんか?

近年のマラソンブームでランナー人口は大幅に増え、ランニングでなくても運動不足解消のためとウォーキングをしている方は多いと思います。

他にも立ち仕事が多い、仕事柄歩く時間が多いなどどうしても足にかかる負担が大きい方もいます。

足の裏の痛みは1日5分の簡単なストレッチで体を整える習慣をつけることで改善が見込めます。

実際に私もランニングを始めてから起きて最初の一歩目が痛くてまともに足をつけられませんでしたが、ストレッチを続けることでそんなこと忘れていたくらい今では気にならなくなっています。

同じ症状で悩んでいる方はぜひ試してみてください!

足の裏の痛みって何なの?

そもそも足の裏の痛みは何なのかというと、多くは「足底腱膜炎」と呼ばれるものです。

足の裏には「足底腱膜」と呼ばれる膜状の腱が存在します。
踵の前内側や土踏まずの部分が痛むのが症状としては特徴です。

普段、私たちが歩いたり走ったりする際にその度に体重がかかりますので、足底腱膜が緩んだり緊張したりして衝撃を吸収する役割があります。

扁平足とハイアーチ

足には土踏まずのように弓なりになっているアーチ構造と呼ばれるものがあり、これが衝撃を吸収するクッションの役割を担っています。
この弓なりになっている下の部分を足底腱膜が張って支えています。

扁平足などは足の土踏まずが潰れて平らとなりアーチ構造が崩れている状態で、足底腱膜が伸びきってアーチが崩れるくらい負担がかかっていると言えます。
伸びきった足底腱膜にさらに伸びるストレスがかかることで痛みが出現します。
足の外側で体重を支えることができずに、足の内側ばかりに体重を乗せて歩いたり走ったりする癖がついているとなりやすいです。

逆にアーチが高くなっていることをハイアーチと呼び、足底腱膜は縮んで緊張が高い状態となっています。
縮んでいる足底腱膜に体重をかけると無理やり引き伸ばされるので痛みが出現します。

アーチは潰れていても高くなっていてもバランスが悪く、痛みの原因となります。
このアーチ構造の崩れが足底腱膜には大きく関わっており、アーチ構造の崩れ自体が偏った姿勢や動作からきていることが多いので全身を含めて整えることで、足底腱膜にかかる負担を減らすことが大切になります。

足底腱膜って?

足底腱膜がどういうものでどういった役割を持つのかもう少し詳しく解説します。

足底腱膜は、長く薄い束になっており、踵から足裏、指まで走行しています。
足における重要な機能の一つである、アーチ構造を形成しているため非常に強力にできています。

中心部、外側、内側の3つの部分に分けることができ、最も厚い部分が中心部で踵骨結節の内側から各指に分岐します。
外側、内側の部分は中心部を挟むように足底の側面を走行しています。

先ほど述べたアーチ構造は内側、外側、横の3つで三角形を形成しています。

足底腱膜は3つのアーチの内、内側と外側を支えていますので、どちらかに偏って体重がかかっていたり、負担がかかる動きをしているとこの三角形のバランスが崩れてアーチ構造が崩れてしまいます。

内側、外側のどちらが崩れてもその間にある横アーチも影響を受けて崩れてしまいますので、3つのアーチがバランス良く機能していることが重要となります。

足底腱膜炎の原因は?

・長時間の偏った姿勢(デスクワーク、立ち仕事など)

・運動不足によるもの(足の裏への衝撃を吸収できる体が整っていない)

・ランニングによる足底への繰り返されるストレス

・扁平足、ハイアーチ

上記のようなものが原因として考えられます。

長時間の偏った姿勢

長時間偏った姿勢をとることで筋肉が硬くなってしまう部分が出てきます。

硬い部分は動きが悪くなるので、その部分をかばって他の部分で動きフォローしようとします。
このかばった部分に過剰にストレスがかかることで痛めたり、さらに他の部分でまたかばおうとする悪循環に陥ります。

偏った姿勢のしわ寄せが悪い影響として、足のアーチを崩す原因となることがあるのです。

アーチ構造が崩れる原因としては、骨折や靭帯断裂など直接的な外傷でない場合は姿勢の崩れからくる影響が多いです。

例えば、猫背で腰が曲がると、骨盤は後ろに傾き(後傾)、ガニ股(股関節外旋)となり、膝は内側に捻れ(下腿内旋)、足は内側に傾いた状態(足関節外反)となります。
この状態では、内側アーチ(土踏まず)が潰れやすく、内側の足底腱膜は常に引き伸ばされるストレスがかかってしまいます。

逆に腰が過度に沿っている「スウェイバック」と呼ばれる姿勢だと、骨盤は前に傾き(前傾)、内股(股関節内旋)、膝は外側に捻れ(下腿外旋)、足は外側に傾いた状態(足関節内反)となります。
この状態では、外側アーチが潰れやすく、先ほどとは反対に内側アーチは短く緊張した状態(ハイアーチ)となりやすく、足を着いた際に伸ばされる方向に力が加わると痛みを起こします。

このように、足自体が悪くなくても普段からの偏った姿勢による影響が知らず知らずのうちに二次的に足に悪い影響を与えてしまっている可能性があるのです!

運動不足によるもの

普段あまり運動しないので運動習慣をつけるためにジョギング、ランニングを始めよう!など意気込んで運動を始める方も少なくありません。

しかし、現代人はよほど意識して体を動かす習慣がない方以外は、普通に生活しているだけではかなりの運動不足です。

この状態でいきなり運動を始めようとしても、そもそも運動に対応できるだけの体が整った状態ではないので、体を痛めてしまうことも少なくなく、そのまませっかく始めた運動をやめてしまうこともあるかと思います。

普段の生活で使う筋肉と運動の時に使う筋肉は、種類も質も体に求められるものが全く違うので普段から運動習慣のある方、意識的に運動時に使う筋肉を活性化させるストレッチなどをしていない限り、多くの場合は過負荷となってしまうのです。

必ずしも足が痛くなるとは限らないですが、足は唯一地面と直接接する部分でもあり、ランニングなどではかなりの衝撃が足をつくたびにかかるので足の状態はとても重要です。

つまり、運動を始める前に普段から意識して体を整えておくと、柔軟性が求められる場面には体を柔らかく使い、力の発揮が求められる場面では体を固めて使うことができ、状況に応じて体を対応させることができるので怪我を予防することができます。

ランニングによるストレス

上述したように、体が運動に適応できる状態でないのにランニングなど繰り返しストレスがかかる運動をすることで、そのストレスや疲労が蓄積し、運動時でなくても症状が発症してしまう状態となってしまいます。

運動前に体を整えることも重要ですが、運動後に体を再び整えてケアしておくこともとても重要な要素です。

扁平足、ハイアーチ

体全体の状態もとても大事なのですが、足自体の状態もとても重要です。

アーチが潰れている扁平足、アーチがあがっているハイアーチ、どちらも偏った状態ですのでストレスが集中してしまいます。

偏った状態を整えることでストレスを分散でき、効率良く力を伝えることができますので、疲労が残りにくい、姿勢の改善、運動パフォーマンスの改善にもつながります。

運動を始める前に、そもそも運動できる足の状態なのか見直してみることも大事です。

足底腱膜炎を改善、予防するストレッチと運動

これらの内容から、偏った姿勢・動作の改善、足の偏ったバランスの改善の2つの視点から考え、足の裏への負担を減らせるよう、運動にも適応できるように使うべき筋肉を活性化させる必要があります。

自宅や職場で5分もあれば簡単にできるストレッチと運動をご紹介しますので、ぜひお試しください。

1週間も続ければ効果を実感できると思います。

運動前や朝にすることも効果的です。

指の筋肉を整えるストレッチ

①.土踏まずの中央より少し内側を指でおさえる

②.足の指全体を反らせるように足底をストレッチする

③.5秒程度ストレッチを5回程度繰り返す

足首周り、ふくらはぎの筋肉を整えるストレッチ

①.くるぶしから指4本分程度上、ふくらはぎ部分を指でおさえる

②.アキレス腱を伸ばすようにストレッチをかける

③.5秒程度ストレッチを5回程度繰り返す

指の筋肉を整える運動

①.土踏まずの中央より少し内側を指でおさえる

②.足の指を曲げたり伸ばしたり10回程度繰り返す

上記の二つで足の裏の細かい筋肉が活性化し、過剰に硬くなっている部分はほぐれるので結果的にアーチが整ってきます。

 

足首周り、ふくらはぎの筋肉を整える運動

①.くるぶしから指4本分程度上、ふくらはぎ部分を指でおさえる

②.おさえつつ、足首をあげたりさげたり10回程度繰り返す

上記の二つで足裏からふくらはぎにかけて柔軟性と蹴り出す動きがスムーズにできます。

膝の筋肉を整える運動

①.座った状態で膝裏をおさえる

②.おさえつつ、膝を曲げ伸ばし10回程度繰り返す

股関節の筋肉を整える運動

①.立った状態で股関節の付け根(ビキニライン)をおさえる

②.おさえつつ、膝が前にでないようにお尻を後上方へ突き出すようにする

③.お尻の下あたりが突っ張るのを感じたら元に戻る

④.5回程度繰り返す

膝と股関節を柔軟に使えることで足首、足底にかかる負担をかなり減らすことができます。

まとめ

・足の裏の痛みは「足底腱膜炎」を疑う

・偏った姿勢や動作により足底に負担がかかりやすくなる

・普段から動ける体作りが大切

・足以外の膝、股関節など柔軟に使えることが大切

おわりに

足底腱膜炎はほっといても治る場合もありますが、重症化すると腱膜が断裂して最悪手術も考えられるので、しっかりと予防、対策をするべきです。

せっかく始めた運動も痛みでできなくなってはもったいないので、今回ご紹介した簡単な運動を継続していただいて体を整えてみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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