2017/09/09

肩が痛くて眠れない時に試してほしい2つの運動

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
松井 洸
ロック好きな理学療法士。北陸でリハビリ業界を盛り上げようと奮闘中。セラピスト、一般の方へ向けてカラダの知識を発信中。
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夜寝ていると肩の痛みで起きてしまうなんてことはありませんか?

寝るときくらいリラックスして眠りたいのに、満足に眠れないとそれだけでストレスですよね。

ポイントを知っていればその痛みを和らげることも可能です!

今回はそんな夜間痛に悩まされている方に向けて、夜間痛の原因と対策をまとめてみました!


肩の痛みによる眠れない原因

そもそもなんで夜間痛が起きるかと言うと、原因は2つ考えられます。

1つは肩周りの筋肉が無意識に力が入った状態となっている場合。

もう1つは、関節内圧というもののせいで、肩関節に常に圧力が加わった状態となっている場合。

それぞれ詳しく解説していきます。

肩周りの筋肉に常に力が入りすぎている

これはそのまんまですが、普段生活している時も寝ている時も肩周りに力が入った状態で、常に筋肉に力が入ったままとなっているという状態です。

普段、私たちが腕を挙げたり手を伸ばしたりする際には、肩周りの筋肉が収縮し、腕を元に戻すと筋肉は弛緩します。

力が入った後は力が抜けるというのが自然です。

しかし、これが何らかの原因で力が抜けない、または抜けにくい状態となると、常に筋肉に力が入った状態となります。

常に力が入っていると、筋肉は凝り固まって血流が悪くなります。
すると、痛みを出す物質がそこにとどまってしまうので痛みを感じてしまいます。

この力が抜けない原因というのが、本来使うべき筋肉があまり使えておらず、それほど使う必要のない筋肉を過剰に使っていることが考えられます。

筋肉の特性として、例えば腕を挙げる筋肉が働くとその反対の働きを持つ筋肉は緩みます。
この場合は腕を下げる筋肉ですね。

このようにある運動を起こす筋肉とその反対の運動を起こす筋肉がバランスを取り合うことで、筋肉は適切な緊張を保つことができています。

つまり、常に肩周りに力が入っている状態というのは、このバランスが崩れている状態。
特定の運動を起こす筋肉ばかり使われていて、反対の運動を起こす筋肉がほとんど使われていないのです。

肩周りで言うと、「三角筋」「僧帽筋」といった肩をすくめるように働く筋肉が過剰に使われやすい傾向にあります。

肩関節に常に圧力が加わっている

肩関節は肩甲骨に上腕骨という骨がぶら下がるようになっています。

ぶら下げておくためには、骨同士が離れないようにしておくための仕組みが必要です。

それが靭帯や筋肉なのですが、筋肉でぶら下がった状態を保つには常に力を入れておかなくてはいけなくなります。

これでは、筋肉は疲労し凝り固まってしまいますよね。

このような状態にならないために、関節内圧というものが存在しています。
関節の周りには写真の青い丸のような関節包というものがあり、その中は滑液と呼ばれるもので満たされており、その滑液が増えたり減ったりすることで内圧が変化しています。
イメージとしては、掃除機のように常に上腕骨を吸い上げるようにして、肩甲骨にぶら下がった状態にしてくれるものです。

この吸い上げている状態が関節内圧は陰圧の状態。
逆に吸い上げていない状態が関節内圧は陽圧の状態となります。

腕を挙げたり腕を伸ばしたりする時は、肩周りの筋肉が働くので筋肉の力によって上腕骨は肩甲骨に引き寄せられます。

筋肉によって上腕骨が引き寄せられているので、関節内圧によって上腕骨を吸い上げておく必要がなくなり、関節内圧は陽圧となります。

つまり、筋肉が働いている時は関節内圧は陽圧。
筋肉が働いていない時は関節内圧は陰圧となっています。

この陽圧の状態というのが、関節の中から圧力でパンパンに膨れ上がっているような状態です。
この状態から膨れ上がったものをしぼめて陰圧にすることができくなることが問題となるのです。

この関節内圧を陽圧にしている原因の1つが、上述した筋肉が常に働いたままの状態。
また、筋肉が常に働いたままであることが関節内圧を下げられない原因にもなっており、この2つの原因がお互いに悪い状態を作り出しているのです。

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肩の夜間痛は寝ている時の姿勢が関係

夜間痛においては寝ている時の姿勢も関係してきます。

仰向けで寝ている場合、肩の前側の筋肉である「大胸筋」「小胸筋」が重力によって引き伸ばされます。

腕立て伏せやベンチプレスで力がはいる筋肉です。

横向きで寝ている場合、上側にしている肩の「三角筋」「僧帽筋」「棘下筋」などが引き伸ばされます。

「三角筋」、「僧帽筋」は先ほども言いましたが、肩をすくめるような筋肉。
「棘下筋」は親指を外に向けるように胸を開くと働く筋肉です。

これらの筋肉が凝り固まっていると、上記の姿勢で無理やり引き伸ばされるので痛みを感じることがあります。

寝ている時は、これらの筋肉が伸ばされて負担をかけないようにすることがポイントです。

仰向けで寝る場合のポイント

仰向けの場合は、胸の筋肉が過剰に伸びないようにすると楽になります。
ですので、肩の下・肘の下にタオルやクッションを入れると腕の重みを支えてくれるので、無理に引き伸ばされることはなくなります。

加えて、前腕(肘から下の腕)とお腹の間にもクッションなど入れるとより力が抜けてリラックスできます。

横向きで寝る場合のポイント

横向きの場合は、腕の横・肩の後ろの部分が過剰に伸びないようにすると楽になります。
ですので、上側の腕でクッションなど抱えるような姿勢で腕の重みを支えてあげると、無理に引き伸ばされることはなくなります。

眠れないほどの肩の痛みを楽にする運動

寝る時のポジショニングだけでも楽にはなりますが、根本的な解決にはなりません。

上述しましたが、使いすぎている筋肉を抑えて、使うべき筋肉を優位に働かせることが重要となります。

肩に関して言うと、

・抑制するべき筋肉
→僧帽筋、三角筋、大胸筋

・優位にするべき筋肉
→前鋸筋(脇から横腹にかけて付いている筋肉)、広背筋(腰から横腹を通って脇の付け根についている筋肉)

この優位にするべき筋肉を働かせるための簡単な運動をご紹介します。

腕ぐるぐる体操

①.脇の付け根をおさえる
②.おさえたまま、腕を前後に回す
③.前後5〜10回くらい回す

ポイントとしては、
・脇の後ろ側をおさえる
・回す時は力はそれほど入れず、軽くで大丈夫

床押し体操

①.四つ這いとなる
②.指先はまっすぐ前へ、肘は完全に伸ばし、脇を軽くしめる
③.腰の力を抜き、②の状態を保ったまま床を押すように力を入れる
④.背中を丸めるようにして押す力を緩め、また繰り返す

ポイントとしては、
・②の状態をしっかり保つ(肩をすくめない)
・押す時に肩が手より前へ出ないようにする

まとめ

・肩の夜間痛は無意識に力が入りすぎていることが原因
・使いすぎている筋肉を休ませる
・使っていない筋肉を働かせる

おわりに

いかがでしたか?

今回ご紹介したものは簡単な体操ですが、使いすぎている筋肉を抑制し、使うべき筋肉を働かせるようにできています。

ポイントをおさえて実践していただければ効果も感じられると思いますので、ぜひお試しください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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