2017/05/11
【股関節が痛い!そんなあなたに今すぐ読んで欲しい】原因と症状と対処法

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股関節が痛い!と股の付け根やお尻の痛みに悩んでいませんか?
本記事はそんなあなたに今すぐ読んでいただきたいです。
骨折や手術後の痛みから生活できないほどではないけど痛みが気になるといった方まで。
様々な方を診てきた理学療法士の視点から、今あなたがどうしたらいいのか本記事を読み進めるとわかるようにまとめてあります。
目次
股関節の痛みの原因
股関節の痛みは何が原因は大きく分けて以下の2つに分けられます。
・股関節を構成する骨同士がぶつかる痛み
・筋肉による痛み
以下にそれぞれ詳しく解説しています。
骨がぶつかる痛み
股関節は骨盤の骨である「寛骨(かんこつ)」と太ももの骨である「大腿骨(だいたいこつ)」の2つが合わさってできています。
寛骨の凹状にくぼんでいる部分と大腿骨頭と呼ばれる球状に丸くなっている部分で関節を作っています。

引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス
このくぼみの部分を球状の大腿骨頭が転がるようにして動いていますが、正しく転がらないとこの骨同士がぶつかってしまう場合があるのです。
ぶつからないようにしてくれているのが、いわゆるインナーマッスルと呼ばれる「大腰筋」や「腸骨筋」といった筋肉です。
これらは、大腿骨頭が寛骨のくぼみから外れて動かないように引きつけてくれる役割を持っています。
この引きつけておく力が不十分であると、歩いたりしゃがんだりする際に寛骨のくぼみから大腿骨頭がずれてぶつかってしまい、痛みが起こるという流れ。

大腰筋 引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス

腸骨筋 引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス
骨同士がぶつかる痛みの特徴としては、以下のものが挙げられます。
・股関節を動かす際にゴリゴリ音が鳴る
・表面ではなく奥の方で痛みを感じる
・鼠径部(ビキニラインのしわの真ん中)に痛みを感じる
・しゃがみ込む、前かがみになる、足を挙げるなど股関節が深く曲がると痛い
関節の周りにある関節包や靭帯、筋肉が刺激を受けて炎症を起こすことで痛みが出る
筋肉による痛み
お尻の横や後ろの筋肉、ここがパンパンに張っていたり、押すと痛みを感じたりしませんか?
これらは「中臀筋(ちゅうでんきん)」や「大臀筋(だいでんきん)」と呼ばれる足を横に開いたり、後ろに伸ばしたりする際に働く筋肉。

大臀筋 引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス

中臀筋 引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス
先ほどの「大腰筋」などのインナーマッスルとは違い、アウターマッスルと呼ばれる表面についている筋肉です。
これらお尻の筋肉が硬く柔軟性が低くなると、血流が悪くなり、痛みを出す発痛物質が溜まって痛みを感じます。
歩く時も必ずこれらの筋肉は働いているのですが、硬くなる方は使いすぎて硬くなっていることが多いです。
特定の筋肉だけを使いすぎると、常に力が入った状態でいるため、力を抜きにくくなってしまいます。
肛門を締めるようにキュッと力を入れてみてください。
常にこの状態で生活してくださいと言われるとどうですか?
とてもじゃないけど疲れてしまい、生活するどころじゃないですよね。
このように無意識に力が入った状態が慢性的に続いた結果、痛みが出現するという流れ。
このお尻の筋肉が硬くなる原因としては、先ほどの「大腰筋」や「腸骨筋」の働きが弱くなっていることで「中臀筋」、「大臀筋」が過剰に使われてしまいます。
筋肉による痛みの特徴としては以下の通りです。
・お尻の横、骨盤〜骨が出っ張っている部分にかけてが痛い
・お尻の後ろ側が痛い
・しゃがみ込む、前かがみになる、足を挙げるなど股関節が深く曲がるとお尻が痛い
・横向きに寝ると痛い
・膝を伸ばして足を投げ出した状態で座ると痛い
原因となる疾患
股関節の痛みがある場合、どのような疾患が考えられるのか以下に挙げています。
変形性股関節症
名前のとおり、股関節を構成する寛骨と大腿骨が変形しているもの。
関節は骨同士が完全に密着しているわけではなく、隙間があるのですが、この隙間が狭くなった状態を指します。
特徴としては、立つ時や歩き始めに鼠径部に痛みを感じることが多いです。

引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス
臼蓋形成不全
寛骨のくぼんでいる部分、大腿骨頭の受け皿となる部分が浅く狭くなっており、不安定となった状態を指す。
進行すると先ほどの変形性股関節症になる場合もあります。
これも症状としては、変形性股関節症と同様です。

引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス
関節リウマチ
膠原病に含まれる代表的な病気の一つで、免疫系に異常が生じることで体の多くの関節で異常が生じるもの。
症状としては、関節の炎症に伴う腫れや痛み、発熱、関節のこわばりなどが挙げられます。
全身の複数の臓器に炎症が起こり、臓器の機能障害をもたらす一連の疾患群の総称。
引用:Klempere P, Pollack AD, Baehr G: Landmark article May 23, 1942 : Diffuse collagen disease. Acute disseminated lupus erythematosus and diffuse scleroderma. JAMA 1984 ; 251 : 1593-1594
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痛みに対する対処法
主に薬物療法、運動療法、生活習慣の改善の3つが挙げられます。
順番にそれぞれ見てみましょう。
薬物療法
あまりに痛みが強い場合は自分でなんとかしようとせずに、まずは病院の受診をお勧めします。
内服薬、湿布、塗り薬、座薬などの消炎鎮痛剤などによって痛みをおさえます。
運動療法
理学療法士が得意とする分野。
病院やクリニックなどで受診して、そこで理学療法士に直接指導を受けることも良いと思います。
今回は、ご自宅でご自分でできる運動をご紹介しますので痛みに応じてお試しください。
体幹・股関節の運動療法
上述した「大腰筋」はみぞおちから鼠径部にかけて付いていますので、体幹の柔軟性も重要となります。
①.座った状態でみぞおちをおさえる
②.おさえたまま、体を上下に曲げ伸ばし、左右にひねる、左右に体を倒す
③.それぞれ10回ずつくらいする
・肩の力を抜いて足が浮かないように
・痛みがある場合、痛みがない範囲でおこなう
・みぞおちをおさえる手は軽くでよい
股関節の運動療法①
股関節の運動療法①→②の順に難易度が高くなります。
①.仰向けで片側の膝の上に反対側のふくらはぎを乗せる
②.膝の上を滑らせるように股関節を曲げ伸ばしする
③.左右10回ずつ繰り返す
・ゆっくりと曲げ伸ばしする
・痛くない範囲で曲げ伸ばしする
股関節の運動療法②
①.肩幅くらいに足を開いて立つ
②.鼠径部をおさえる
③.鼠径部をおさえたまま、お尻を突き出すように体を前に倒す
④.10回くらいする
・膝は少しだけ曲げたまま、曲がりすぎず伸びすぎず、目安は足より前に出ない
・太ももの後ろ側が軽く突っ張るくらいまで体を倒す
生活習慣の改善
以下のチェックポイントに当てはまる項目がある方は見直した方がいいかもしれません。
・偏った姿勢でいることが多い(猫背・反り腰、パソコンに向かっている時肘が浮いている、同じ側の肘ばかりついている、首が前に出すぎている、顎が上がっている…etc)
・偏った動きをすることが多い(しゃがんだまま動く、重いものを運ぶ、腰をかがめたまま動く…etc)
・片方の足ばかりに体重をかけて立っている
・運動の習慣がなく、運動不足
多くは偏った姿勢・動作によって次第に使わない部分は動きが悪くなり、特定の部分ばかり酷使するようになることで、結果的に股関節に痛みが出ている。
体の関節はそれぞれがお互いをかばい合うようにできているため、どこかに動きが悪い部分ができると一箇所に負担が集中しやすくなるのです。
なので、偏った姿勢や動作は要注意。
まとめ
・股関節の痛みは骨のぶつかり、筋肉の硬さが主な原因
・痛みが我慢できないほど重症の場合は病院で受診を!
・運動療法によって改善できる部分も多くある
・生活習慣からくる痛みもある
おわりに
いかがでしたか?
多くは間違った体の使い方、姿勢が原因で本来使うべき部分が十分に使えていないことが原因となります。
本当に痛みが強い場合は病院でまず診察してもらうほうが無難です。
しかし、それほど生活に支障がないが痛い。という方は本記事の運動療法を試してみる価値はあるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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