10分で姿勢を整えて膝の痛みで悩むのは止めにしよう【変形性膝関節症を予防する】

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いつもお読みいただきありがとうございます!リハ塾の松井です。
曲げると膝が痛い…、歩いていると膝が痛くなってくる…、こんな悩みをお持ちの方に是非本記事を読んでもらいたいです!
ポイントを踏まえた正しいストレッチと簡単な運動を1日10分だけ続けると、自然と良い姿勢、動きへと体は変わってきます。
実際に患者さんにも指導している方法ですので、自信を持ってオススメできます。
目次
変形性膝関節症とは?
膝関節は太ももの骨である「大腿骨(だいたいこつ)」とすねの骨である「脛骨(けいこつ)」の二つの骨から構成されています。
この二つの骨の間には、歩いたり走ったりする際に関節にかかる衝撃をやわらげてくれる関節軟骨と呼ばれるものがあります。
この軟骨や半月板がすり減ったり損傷することで、衝撃がうまく全体的に分散されず、一部分だけにかかってしまうことで周囲の靭帯や筋肉、腱などで炎症起こしてしまうことで痛みが生じます。
何らかの原因で軟骨がすり減った結果、炎症を起こして痛くなってしまうということですね。
どんな人に多いの?
年齢が上がるにつれて変形性膝関節症の割合は増加していく傾向にあり、男性よりも女性の方が1.5倍多いとされています。
タイプとしては、O脚(いわゆるがに股)で膝の内側が痛い人、X脚(いわゆる内股)で膝の外側が痛い人に分けられます。
多いのはO脚のがに股タイプの人。全体の90%もあるとされています。
また、肥満も膝の変形、痛みを強める原因の一つと考えられており、肥満でない方に比べると膝への負担を高めてしまうとされています。
変形性膝関節症の方に多い3つの特徴
・がに股
・肥満
・膝の痛み
この3つに当てはまる方は要注意。
以下の症状と照らしわせてみてください。
変形性膝関節症の症状
・立ち上がり時に痛む
・階段の昇り降りで痛む
・歩き始めに痛む
・正座ができない、曲げると痛む
・膝が真っ直ぐ伸びない、伸びきらない
・膝に水が溜まっている、定期的に抜いてもらっている
・膝を曲げ伸ばしするとゴリゴリと音がなる
・膝の周りを押すと痛い部分がある
…などなど、上記に当てはまる項目がある方は変形性膝関節症の初期、もしくは進行すると変形性膝関節症になる恐れがある予備軍である可能性があります。
どんな怪我、病気でもそうですが、進行してしまってからでは遅く、その時になって対策を考えるようでは大変な思いをしなければいけません。
つまり、症状が浅いうちに予防に取り組むことが重要なのです。
変形性膝関節症で膝が痛む原因
よく変形性膝関節症と診断されると、「膝の軟骨がすり減っているから痛いんですよ。」とお医者さんから説明を受けます。
すり減っていることも事実なのですが、すり減っていても痛くない方もいますし、先ほども言ったようにすり減るくらいの負担が繰り返しかかった結果、周囲の筋肉や靭帯などが炎症起こしてしまって痛みを感じることがあるのです。
つまり、軟骨がすり減ってしまった原因に対して対策をしないと痛みは変わらないことが多いです。
手術して変形を治したり、膝にたまった水を抜いてもらったりしても、膝にかかる負担は変わらないので結局痛みや水がたまるといった症状はなくなりません。
O脚は悪いの?
O脚が変形性膝関節症の特徴の一つだと言いましたが、O脚は何が悪いのでしょうか。
O脚は大腿骨の上端が内側へ、脛骨の上端が外側へ倒れている状態。
これによって、膝の内側が圧迫され、この状態で歩いたり立ち座りすることで膝の内側に集中して負担がかかるため、軟骨がすり減り周囲の組織が炎症してしまいます。
O脚となると、お尻の筋肉や太ももの裏側の筋肉が硬くなり、パンパンに張っていることが多いです。
こうなると、自分でがに股を戻そうとしても戻せないこともあります。
筋肉が硬くなっていて、伸び縮みしてくれないので。
腰が曲がると膝が曲がる
実は腰と膝も大きく関係しています。
立った状態で腰を丸めてみてください。
膝も一緒に曲がりませんか?
歩くときに自然と腰が曲がってしまうという方もいますよね。
腰を真っ直ぐに保つだけの力がなくなってくると、膝も真っ直ぐに伸ばして歩くことは難しくなり、それだけ膝にも負担がかかります。
腰が曲がると先ほどがに股の例で言ったのと同様に、お尻、太ももの裏側と前側の筋肉が硬くなります。
さらに、お腹の筋肉、いわゆる腹筋も硬く伸びにくくなっていることが多いです。
膝の痛みに対するリハビリ
今まで膝が痛い方の特徴をお伝えしてきました。
では、実際どうしたらいいの?というところですが、すでになんとなく見当がついている方もいるのではないでしょうか。
特徴としては、以下の二つ。
・がに股である
・腰が曲がっている
これをなんとか真っ直ぐな姿勢に戻したいのです。
がに股→内股
腰が曲がる→腰を伸ばす
というように、それぞれ反対の動きをしたらいいわけで、それを邪魔する筋肉の硬さや筋力の弱さを補うようにリハビリすると良いですね。
がに股を治すには?
反対の動きである内股にする方向へ足を動かせばいいのですが、具体的にどうしたらいいのか?
ポイントは「股関節」。
実はがに股は膝関節が外側に開いている状態ですが、実際に膝関節を直接外に開くような筋肉はありません。
内股も同様で、膝関節を直接内側に閉じるような筋肉はないんです。
そこで出てくるのが股関節で、股関節には内外に直接動かす筋肉がついているので、股関節の動きによってがに股は治すことができます。
写真のように、股関節を内側にひねると青矢印の方向へ膝が動いてくれます。
つまり、がに股と反対方向の動きになりますよね。
お尻のストレッチ
股関節を内側にひねるには、がに股で硬くなりやすいとお伝えした以下の筋肉を伸ばさなければいけません。
・お尻の筋肉(大臀筋、中臀筋)
・太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)
これらを伸ばすストレッチをご紹介します。
・ストレッチ①
①.床に座った状態で両膝を立てる
②.片方の膝を反対の前ももの上に乗せる
③.体を前に倒して10秒キープ
④.5回程度繰り返す
ポイント
・乗せた側の足は膝をしっかりと外に向ける
・体を倒す際、みぞおちは軽く丸めたまま
・どちらかのお尻が浮いてしまわないようにする
・お尻の筋肉が伸びます
・ストレッチ②
①.両足を伸ばして座る(腰や骨盤が後ろに倒れないように、これだけでもけっこうきつい姿勢です)
②.片方の手を反対の足へ振れるように体を捻る
③.触れたまま10秒キープ
④.左右5回ずつ繰り返す
ポイント
・腰、骨盤が後ろへ倒れないように
・胸の真ん中が太ももの中央に近づくイメージで体を倒す
・太ももの裏側が伸びます
腰を伸ばすには?
これも反対の動きである腰を伸ばす方向へ動かしたら良いのですが、具体的にどうしたらいいのか?
ポイントは「みぞおち」。
腰が曲がると腰側の筋肉が伸び、お腹側の筋肉が縮みます。
さらに、太ももの前側の筋肉も縮みやすく、足を後ろに引くことが難しい方もいます。
意外と見落とされがちなのですが、お腹の筋肉が硬い状態で無理やり腰を伸ばすと腰を痛めてしまう原因にもなります。
ですので、まずはお腹の筋肉を十分に伸ばす必要があるのです。
お腹のストレッチ
腰を無理なく伸ばすには以下の筋肉をストレッチする必要があります。
・お腹の筋肉(腹直筋)
・太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)
これらを伸ばすストレッチをご紹介します。
・ストレッチ①
①.前側の膝を外に開き、後ろ側の膝を内に倒すようにする(女の子座りのような感じです)
②.体をみぞおちから捻り、後ろを振り向くようにする(前側の足に向かって捻る)
③.10秒キープする
④.5回程度繰り返す
ポイント
・みぞおちは軽く丸めておき、伸ばさない
・みぞおちから後ろ側の足の前ももが伸びます
・ストレッチ②
①.うつ伏せで両肘を立てる
②.お腹は浮かさないようにして、背中を反らす
③.10秒程度伸ばしたらへそを覗き込むように背中を丸める
④.5回程度繰り返す
ポイント
・肩をすくめないように脇をしめておく
・腰からではなく、みぞおちから伸びるイメージ
・首を過度に反らさない
膝の痛みに対する運動
ストレッチで筋肉を伸ばしても、体の使い方が変わっていなければまた硬くなってしまいます。
具体的には、膝を鍛えるのではなく、股関節のうまい使い方を練習していきます。
そこで、実際に患者さんにも指導している運動をいくつかご紹介します。
運動①
①.仰向けで片側の膝の上に反対側のふくらはぎを乗せる
②.膝の上を滑らせるように股関節を曲げ伸ばしする
③.左右10回ずつ繰り返す
ポイント
・ゆっくりと曲げ伸ばしする
・痛くない範囲で曲げ伸ばしする
運動②
①.肩幅に足を開き、立つ
②.鼠径部(ビキニラインの真ん中)を触れつつ、お尻を後ろの上へ突き出す
③.5秒キープして元に戻す
④.10回程度繰り返す
ポイント
・膝は足より前に出ない、過度に伸びないように、少しだけ曲げておく
・視線は前を向いたまま
まとめ
・膝が痛い人はお尻と太もも、お腹の筋肉が硬くなっている
・腰と膝は関係している
・ストレッチから運動へつなげることが効果的
おわりに
いかがでしたか?
正しくストレッチ、運動をすると自然と良い姿勢、動きができるように体は変わってきます。
続けると効果も実感できるはずです。
雑にならないように、ゆっくり本記事を読みながら実践していただければ嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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