2017/05/24

筋力トレーニングの基礎!上肢のトレーニングを効果的にするために押さえておくべきたった一つのポイント

 

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松井 洸
ロック好きな理学療法士。北陸でリハビリ業界を盛り上げようと奮闘中。セラピスト、一般の方へ向けてカラダの知識を発信中。
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腱板断裂後のリハビリとしてよくわからずカフトレーニングを指導している。

手の痺れに対して、筋力が足りないからです!というふうに、とりあえず手関節の運動を反復している。

このように筋力トレーニングを指導していませんか?

前回の筋力トレーニングの総論的な内容からの続きとして、今回は上肢にフォーカスして筋力トレーニングの基礎をお伝えします。

上肢のリハビリというと下肢のリハビリより多くはないイメージですが、肩関節障害が多く、次いで肘、手関節障害があるような感じですね。

脳卒中なら上肢全体的に障害が出ますし、上肢についても理解を深めておくべきです。

 間違った筋力トレーニング

前回の内容をまだ読まれていない方は以下のページからどうぞ。

前回の内容をざっくりまとめると以下の通りです。

・単一の筋肉のみトレーニングすることの間違い
・メジャーな筋肉のみをトレーニングすることの間違い
・特定の肢位でトレーニングすることの間違い
・インナーマッスルが働いた状態でトレーニングする

上記のポイントを考慮した上で筋力トレーニングを指導するべきです。

上肢のトレーニングをする場合に当てはめて考えてみましょう!

上肢の筋力トレーニングをする前の前提となる条件

ここでは、肩関節疾患の方を例に考えてみます。

特徴的な代償動作としては、肩関節屈曲時に肩甲帯がすぐに挙上してしまう、体幹が後方に倒れてしまう、足が浮いてしまう。
こんなところでしょうか。

この代償動作がある状態とインナーマッスルが効いている状態との差を考えてみると良いです。

順に考えてみると、肩甲帯が挙上してしまうのはなぜか?

・肩甲骨が上方回旋、外転、下制できない
・前鋸筋が筋力低下している
・肩甲骨と上腕骨の連動がうまくいっていない
・ローテーターカフが効いていない
・胸椎の後弯によって肩甲骨が下制できる余裕がない

体幹が後方に倒れてしまうのはなぜか?

・体幹を上方へ伸展できない(脊柱の伸展)
・胸椎が過度に後弯している
・体幹伸展筋力が低下している
・体幹の伸展制限によって後傾させることで代償している

足が浮いてしまうのはなぜか?

・骨盤の前傾制限によって下部体幹・下肢を床面に固定できない
・腰部伸展、骨盤前傾に関与する筋群が筋力低下している

挙げるとまだまだありますが、ざっくり挙げるとこんなところでしょうか。

上記の例から全体像を捉えると、以下のように考えられます。

・脊柱、胸郭が全体的に後弯傾向
・肩甲帯下制、体幹伸展、骨盤前傾にそれぞれ制限がある
・それぞれに筋力低下がある

円背で腰背部が丸まって可動制が制限されている方、よくいらっしゃいますよね。

このような状態では上肢、肩の筋力トレーニングをする以前にそもそもトレーニングできる状態ではないのです。

上肢におけるインナーマッスルが働いている状態とは?

では、上記のトレーニングする条件が揃っていない状態と比べて、インナーマッスルが効いている状態、つまり条件が揃っている状態とはどのような状態か考えてみます。

簡単に言うと、先ほどの例と反対の動きができればいいわけですよね。

・脊柱、胸郭に制限が偏った制限がない
・上腕骨、肩甲骨、体幹がそれぞれ分離して動くことができる
・それぞれの筋力が十分に発揮できる状態である

難しく考えずに上記のポイントに絞って考えてみましょう!

以下に具体的にみるべきポイントをまとめてあります。

脊柱・胸郭に偏った制限がないか

上肢に限ったことではありませんが、脊柱、胸郭から構成される体幹が十分な可動性も持つことで、四肢の関節に過度な負担がかからなくなります。

逆に言えば、体幹に制限があると本来よりも四肢が過度に動かなくてはいけなくなり、負担が大きくなった結果、四肢の制限や筋出力の低下につながります。

1つのポイントとして、胸椎の制限がないかどうかを見てください。

胸椎が後弯すると胸郭も制限をうけ、肩関節を始めとする上肢の運動に影響を与える要因になります。

胸椎は回旋に特化した形状をしており、カップリングモーションがあることを考えると回旋制限を改善することがポイントとなります。

以下のポイントをチェックしてみてください。

・肩甲帯上部、前面の筋群に柔軟性があるか
(僧帽筋、菱形筋群、三角筋、大胸筋、小胸筋)
・腹部筋群に柔軟性があるか
(腹直筋、腹斜筋、横隔膜、腰方形筋)

胸椎について詳しくは以下の記事に記載してあります。

上腕骨・肩甲骨・体幹がそれぞれ分離して動くことができるかどうか

ポイントは肩甲骨に可動性があるかどうかです。

肩甲骨の動きは胸郭のアライメントに起因しますので、胸椎・胸郭に制限があると肩甲骨にも制限が出現します。

肩甲骨に制限があると上腕骨の動きにも影響を与えるため、肩甲骨の動きが重要になるのです。

ポイントは、肩甲骨の上部、前部に制限がない、前鋸筋の筋力を発揮できる状態かどうか。

以下のポイントをチェックしてみてください。

・肩甲帯上部、前部の筋群に柔軟性があるか
(僧帽筋、菱形筋群、三角筋、大胸筋、小胸筋)
・腹部筋群に柔軟性があるか
(腹直筋、腹斜筋、横隔膜、腰方形筋)
・胸郭側面の筋群に柔軟性があるか
(前鋸筋、広背筋、大円筋、小円筋)
→前鋸筋と周囲の筋群はしばしば癒着して滑走性が悪くなっているため、見ておくべきです。

上肢における筋力トレーニング指導のポイント

上記のポイントを評価してアプローチするだけで筋出力の発揮には変化が出ているはずです。

この状態で筋力トレーニングをすることで効率よくトレーニングの効果を得ることができ

さらに、あるポイントを意識して指導してほしいのです。

そのポイントとは、「脇がしまっている」ことです。

脇がしまっているとは、上腕骨が外旋し、それに合わせて肩甲骨が外転、下制、内旋することで関節面の向きを変えることができる状態を指します。

これのメリットは、関節面の適合性を保ったまま運動できること。

つまり、関節に余計な負担をかけず、かつ、筋出力を発揮しやすい状態で運動できます。

このような肩甲骨の使い方を意識することで、前鋸筋の活動が促通されます。

前鋸筋が働くことで、筋連結している腹斜筋、腹横筋も促通されます。

これによって、体幹の安定を得ながら肩甲骨→上腕骨の動きにつなげることができます。

闇雲に筋肥大のみを狙った筋力トレーニングでは無意識に関節に負担をかけていることもあります。

ですので、如何に関節を守りつつ、全身の連動を得ながら運動をおこなうかということを考える必要があるのです。

まとめ

・胸椎、胸郭に制限があると上肢に負担となる
・肩甲骨の動きに着目する
・脇をしめる意識で上肢の運動をおこなう

おわりに

いかがでしたか?

闇雲にトレーニングを指導するのではなく、まず筋力トレーニングできる状態か、どこを意識するのか。

これを考えるかどうかで効果が全然違いますのでぜひお試しください!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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